「少額訴訟」教室 ~弁護士に頼らず自分でやってみよう~

60万円以下の請求であれば、通常の民事訴訟と違い簡単な手続きで裁判所の「判決」が得られる手続きです。少額訴訟そのものが、小規模の紛争を短い時間と少ない費用および労力で解決できることを目的として作られた裁判制度です。手順を知っていれば弁護士に依頼せずとも可能な裁判方法であることから、本人訴訟とも相性が良く非常におススメです。
注意)少額訴訟はお金の請求のみに活用できます。ハラスメントの認定や物件の引き渡しなどは利用できません。

少額訴訟の5つの利点

①即日(1日)で判決が出る。(通常の裁判は半年から長ければ数年かかる場合もあります)
②訴え方が簡単。(手続きが簡易であるため、テンプレートに沿って書けば訴訟が起こせます)
③弁護士に頼まなくてもできる。(②の理由から本人訴訟には最も適した裁判方法です)
④裁判費用が安い(10万以下なら1000円、50万以下なら5000円で訴訟を起こせます)
⑤訴えられた被告側も弁護士に頼みにくい。
(弁護士に依頼すれば訴訟の請求(60万以下)とは別に、手続きや書類作成など弁護士費用だけでも数十万かかる可能性もあり、「素直に支払った方が良い」と判断される場合が多い)

知っておくべきノウハウ「少額訴訟」
手続きはどうすれば良い?
少額訴訟の「訴状」テンプレート集

「ジブンでやる少額訴訟」Q&Aでは、超素人編、一般人編の2つに分けて解説しています。
超素人編では、まったく少額訴訟を知らない人からの質問が多いとされる項目をまとめてみました。
一般人編では、ネットで調べても見つけにくい一般人からの少額訴訟に関する質問を集めています。

ジブンでやる少額訴訟 Q&A(超素人編)

少額訴訟はどこで受け付けているの?

原則として、被告(訴えられる側)の住んでいる管轄の簡易裁判所です。
ただし売掛や貸金などの金銭請求の場合は、原告(訴える側)の住んでいる管轄の簡易裁判所でも可能です。
他にも被告の同意があれば、どこの簡易裁判所でも可能となります。

少額訴訟の裁判費用はいくら?

~10万円まで 1,000円
~20万円まで 2,000円
~30万円まで 3,000円
~40万円まで 4,000円
~50万円まで 5,000円
~60万円まで 6,000円

例)知人に3回合計22万円ほど貸しています。少額訴訟の裁判費用はいくらですか?
回答:3,000円です。その他、郵送代も必要です。

少額訴訟の流れを教えてください

少額訴訟の流れについては、別ページで詳しく紹介しています。

少額訴訟を起こした場合、相手に通知はいつ届きますか?

訴状の受付→審査→1回目の裁判が開かれる日→原告・被告の通知となります。
訴状の受付から当事者への通知までは、数日と言われています。

相手が欠席(逃げたら)したら裁判は延期・中止になるの?

相手が答弁を出さなかったり、裁判が開かれる日に無断欠席をした場合は、原告の言い分が正しいとされ、勝訴判決が出ます。延期・中止にはなりません。

相手が裁判所からの郵送物を受け取らなかった場合はどうなるの?

裁判所からの郵送物は「特別送達」と言われる特殊なルールを持っています。
訴状はポストに投函されることはありません。必ず受取人からのサインを求められます。
留守の場合は不在通知が投函されます。
さらに、たとえ郵送物を受け取らなくても「通達があった」として裁判の手続きが進みます。
「郵送物があったなんて知らなかった」「受け取ってない」は通じません。

100万円を貸しているけど、請求額を60万円に変えれば少額訴訟をすることはできますか?

はい、請求額が60万円であれば可能です。
極端に言えば、1億円の借金であっても請求額が60万円であれば少額訴訟はできます。

いじめの少額訴訟は可能ですか?

少額訴訟は原則として、1回の審理で判決が行われる前提です。いじめの立証から請求までとなると、通常訴訟が適切であるとされています。
ただし、「証拠もあり、いじめた側も認めており、1回の審理で問題ない」と考えるのであれば、訴状も含めた全ての資料を揃えた上で、無料の弁護士相談で確認をとることをおススメします。

少額訴訟の口頭弁論では相手と顔を合わせることになるのか?

少額訴訟の口頭弁論では、原告・被告・裁判官が一同に会して審理が進められます。
基本的に欠席はおススメできないため、例え顔を合わせたくない相手であっても「相手と向き合う」覚悟は必要です。

少額訴訟は何時間くらいかかりますか?

アナタが原告で被告が欠席した場合は30分程度で終わります。ただし、訴状内容によって本人尋問や証人尋問があった場合は半日かかる場合もあります。

相手(成人)の住所がわかりません。相手親(実家)の住所はわかるので少額訴訟はできますか?

相手の親が連帯保証人になっているのであれば、少額訴訟の対象者として可能です。
そうでない場合は、少額訴訟はできません。

オークション品の「ノークレーム・ノーリターン」表記は訴訟に有効ですか?

有効です。少額訴訟に限らず、民事訴訟において「ノークレーム・ノーリターン」表記がある場合は、「瑕疵担保責任を負わないことを定めた特約」となり、買い手が同意して商品を購入したともされるため、訴訟でも有効とされます。

ただし、2点ほど「ノークレーム・ノーリターン」が無効となる場合があります。
①売り手が商品の瑕疵を知っていたにも関わらず、事前説明がない場合。
②商品を取り扱う側が業者で、購入者が個人である場合。

少額訴訟で勝てば、相手に弁護士費用を請求できますか?

原則として弁護士費用は自己負担となります。少額訴訟では相手に勝訴しても請求できません。

少額訴訟に勝てば、弁護士費用以外の費用なら請求できますか?

郵便代、印紙代(訴訟費用)、交通費(計算式あり)などは請求できます。一応、裁判所への1回の出頭費も請求は出来るとされています。

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